６月６日、ＦＲＢ利下げ観測の高まりで円高

• リスクセンチメントの改善を受けて円高。

• 日本の１０年国債利回りは２週間ぶりに１％を下回った。

• 米国の国債利回りの低下によりドルが下落した。

リスクセンチメントの改善と米連邦準備理事会（ＦＲＢ）が９月に利下げするとの観測の高まりを受けて、日本円は上昇した。米国の国債利回りの低下はドルに圧力をかけ、ドル円を下落させた。トレーダーは平均時給や非農業部門雇用者数など金曜日に発表される主要な米雇用統計データを待っている。

日本国債利回りは最近の高値から反落し、指標となる１０年債利回りは２週間ぶりに１％を下回った。ただし、国内のインフレ率が賃金の伸びを上回り続けたため、日本の実質賃金は４月に２５カ月連続で減少した。このデータは、日本銀行の政策正常化に向けた課題をさらに大きくするだろう。

他の主要通貨に対するドルの価値を示すドル指数（ＤＸＹ）は、米国の経済指標の発表を受けて、その結果に一喜一憂する展開が続いている。これにより、ＦＲＢが利下げに踏み切るのではないかとの観測が高まっている。CME Feⅾ watch Toolのデータによると、ＦＲＢが９月に少なくとも２５ベーシスポイント利下げする確率は、１週間前の４７．５％から７０．０％近くまで上昇した。

毎日の市場サマリー：リスクセンチメントの改善で円高

• 水曜日に発表された米国ＩＳＭ非製造業購買担当者景気指数は５３．８と９カ月ぶりの高水準に上昇し、予想の５０．８を大幅に上回った。これに対し、米国のADP雇用報告によると、５月の新規雇用者数は１５万２０００人で、４カ月ぶりの低水準で、予想の１７万５０００人や４月の下方修正値の１８万８０００人を大きく下回った。

• ５月のauじぶん銀行日本サービスPMIは前回の５３．６から５３．８に上方修正された。上方修正にもかかわらず、この指数は４月の８カ月ぶり高値である５４．３を下回り、サービスの伸びが２月以来最も弱いことを示している。

• ４月の労働者の現金給与総額は前年同月比２．１％増加し、予想の１．７％増加を上回った。最新の統計も昨年６月以来の高水準となった。

• JOLTSの４月の米国求人件数は３月の８３５万５０００人から２９万６０００人減の８０５万９０００人となり、２０２１年２月以来の低水準となった。この数字は市場予想である８３４万にも届かなかった。

• 日本銀行の植田和男総裁は火曜日、長期金利が急騰すれば日銀は機動的にオペを実施すると述べ、必要に応じて国債買い入れを拡大する用意があることを示唆した。

• ロイター通信は、日本政府が年次長期経済政策ロードマップで円安が家計にもたらす課題を強調すると報じた。このため、日銀は今後も金利引き上げか、大規模な国債買い入れ減額を求める圧力がかかることが予想される。