深夜2時。あなたのスマホに届くLINEメッセージ。

「大丈夫?眠れていますか?」「無理してない?」「いつでも相談してね」――親身に寄り添うように見える「担当者」。

しかし次の瞬間、口にするのはこうした言葉です。

「日経225が3万2,000から4万2,000へ急騰中、今こそ買い増しを！」

「バフェットが米国株を売却しても、心配せず買い増しを！」

…あなたは彼の話を信じてしまうでしょうか?

#コピトレ詐欺 #在日中国人を狙う詐欺 #ACYCapital #ライセンス無し

「同郷だから安心」は最大の罠

「同じ国の人だから安心できる」――そう信じた瞬間に、あなたはすでに罠の中。

むしろ海外では、同郷の人間ほど巧みに信用を悪用し、裏切る存在になり得るのです。

いま、日本に住む中国人コミュニティで急増している投資詐欺。

その黒幕とされるのが、自らを「日本株教父」と名乗った男――陳満咲杜（チン・マサト、本名：陳昇）です。

華やかな肩書きを次々と使い分け、投資コミュニティを運営しながら、悪徳業者「ACY証券」へ投資家を誘導していました。

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肩書きで人を騙す「経歴盛りすぎ男」

陳満咲杜は、中国のSNSで「黄金30年」「日股30年」といったアカウントを運営し、自らをカリスマ投資家として演出しました。

彼が掲げていた経歴は、現実離れした華やかさでした。

・大手FX証券会社の副社長兼チーフアナリスト

・日本金融先物取引業協会（FFAJ）の内部管理責任者

・日経ラジオで冠番組を持つ

・テクニカルアナリスト協会の正会員

・ベストセラー書籍の著者

しかし、その多くは裏付けがなく、真偽不明。典型的な「肩書き詐欺」といえるものでした。

実際には投資経験の浅い在日中国人を狙い、情報格差を逆手に取って信用を勝ち取り、巧妙に誘導していったのです。

「黄金30年」幻想で信者を量産

彼が主宰した「BLUEWAVE GAKUIN」では、投資指南、リアルタイム助言、さらに「コピートレード」と称する自動売買まで提供。

2024年、円安と日本株高が進む中、陳満咲杜は「日経平均はさらに30年間上昇する」と煽り、多くの投資家の心を掴みました。

さらに、「黄金30年」という新たなスローガンを打ち出し、「株よりもFXやゴールドの方が早く儲かる」と主張。SNSで毎日の取引実績を公開し、常に利益を出しているように見せかけました。

実際には月額5万円の受講料を取ったうえで、最終的には悪名高いブローカー「ACY証券」へ投資家を誘導していたのです。

「金は下がる！」根拠なき指示で資産崩壊

金価格が歴史的高騰を続けた2024年。

にもかかわらず、彼は「金は下がる、空売りだ」と根拠のない予測を言い続けました。

その結果――彼の指示に従った投資家は、次々と強制ロスカットを食らい、資産を失っていきました。

ある被害者はこう語ります。

「先生を信じて900万円を運用しました。ところが実際には、私のポジションと逆方向の取引ばかり。わずか数回のゴールド取引で大半を失いました。」

親切だったはずのサポートは手のひらを返し、「投資は自己責任」と冷たく突き放す。

挙げ句の果てには「あなたがルールを守らないからだ」と責任を被害者に押し付けたのです。

被害者たちが後になって知ったのは、コミュニティの多くのメンバーが、実は陳容疑者のスタッフや「サクラ」だったということです。

強制ロスカットが相次ぎ、多くの投資家がグループ内で不信感を募らせ始めると、証券会社側はグループに短いメッセージを投稿した直後、すぐに解散させてしまいました。

ACY証券の実態

では、彼が誘導した「ACY証券」とは何者でしょうか。

表向きは、オーストラリアの金融ライセンスを持つ老舗ブローカーで、立派なオフィスや長年の運営歴を誇っています。そのため、一見すると「ブラック業者」だとは想像もつかないかもしれません。

しかし、WikiFXが286名のユーザーデータを分析したところ、ACY証券はユーザーがスムーズな取引が行えない実態が明らかになりました。

取引速度、約定速度のいずれもが業界平均をはるかに下回り、評価は「劣悪」。総合評価も最低ランクの「C」で、最高評価の「AAA」を持つ優良業者とは比べ物にならないほどかけ離れているのが現状です。

ACY証券関連記事

【注意喚起】ACY証券の「七つの大罪」を徹底説明！

近年、多くの投資家がACY証券での取引に関して不審なトラブルを経験しています。 表向きはオーストラリアの金融ライセンスを持つ正規の証券会社に見えますが、その裏には数々の悪質な手口が隠されています。 本記事では、ACY証券の実態と、その「七つの大罪」について詳しく解説します。

露出 2025-04-07

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さらに被害者の証言によれば――

・12%の高額出金手数料

一部の被害者はACYに入金後、取引を行わなくても12%の出金手数料を請求された。

・偽の相場情報

ACYでは異常な価格変動が何度も発生しており、日経平均株価が取引を停止した問題も起きています。これは、バックエンドで相場データを改ざんし、実際の市場と連動していない証拠です。

・その他の口コミ

「取引がかなり遅い」「不自然なスリッページが頻発する」など、悪質な運営実態が次々と浮かび上がっています。

日本金融庁からの警告歴

さらに、金融庁もACY証券に警告を発しています。

2023年2月27日、金融庁は無登録で金融商品取引業を行う者として「ACY Capital Australia Limited.」に対して警告を行いました。

ACY証券は、日本で金融商品取引業の登録を受けていないため、日本国内の居住者を相手に取引を勧誘することは違法です。

まとめ

結論はシンプルです――世の中に「うまい話」など存在しないのです。

SNSで笑顔を振りまき、親切そうに近づいてくる「投資の先生」。その背後には、必ずと言っていいほど「悪徳業者」の影が潜んでいます。

口座開設を急かす、入金を迫る、無理な取引を煽る――。それはすべて詐欺の赤信号。

どんなに魅力的に見える話でも、冷静に事実を確認しなければ資産は一瞬で消えてしまいます。

あなたのお金を守れるのは、あなた自身の判断力なのです。

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