概要:鹿児島県南さつま市の60代男性がSNS型投資詐欺で約1100万円をだまし取られ、「追加投資で特別ボーナスを上乗せ」と偽って現金を詐取したとして、トクリュウの受け子役とみられる45歳の無職の男が逮捕された。

南さつま市の60代男性が約1100万円をだまし取られる。匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」の受け子役とみられる無職の男を詐欺容疑で逮捕。
鹿児島県警南さつま警察署は7月15日、SNS型投資詐欺で南さつま市に住む60代男性から現金約1100万円をだまし取ったとして、住所不定で本籍が長崎県佐世保市の無職の男(45)を詐欺の疑いで逮捕したと発表した。
被害は2026年4月から5月にかけて発生した。男は氏名不詳の共謀者らとともに、SNSを通じて被害男性と接触し、偽の投資サイトへ誘導。サイト上で利益が出ているように装い、信用させたうえで現金をだまし取ったとされる。
警察の調べに対し、男は現金を受け取ったこと自体は認めているが、「メッセージを送りお金をだまし取ったことは知らない」と容疑を一部否認している。警察は男が匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」の末端で現金を受け取る「受け子」役だったとみて、背後関係の捜査を進めている。
今回の手口は、SNS型投資詐欺に典型的なパターンを踏んでいる。被害男性はSNS上で投資話を持ちかけられ、偽の投資サイトに登録させられた。サイト上には架空の利益が表示され、あたかも投資が成功しているかのように信じ込まされた。
その後、犯人グループは「追加投資をすれば、特別ボーナスを上乗せした金額を出金できる」などと虚偽のメッセージを送信。出金をちらつかせて追加送金を促す手口は、被害者に「あと少しで利益が手に入る」という期待を抱かせ、冷静な判断を鈍らせる典型的な詐欺の構造だ。
詐欺グループは、SNSやメッセージアプリを通じて被害者と接触し、対面することなく関係を構築。現金の受け取りだけを「受け子」と呼ばれる実行役に担わせる分業体制で、指示役の特定を困難にしている。
鹿児島県内ではSNS型投資詐欺の被害が急増している。鹿児島県警のまとめによると、2025年(令和7年)1年間に県内で認知されたSNS型投資詐欺は151件、被害額は約12億2200万円に上った。2026年に入っても被害の勢いは止まらず、1月から3月までの3カ月間だけで47件、約4億4600万円の被害が確認されている(暫定値)。
SNS型投資詐欺の全国的な傾向として、振込型に加えて暗号資産(仮想通貨)による送金型も増加している。こうした詐欺の多くにトクリュウと呼ばれる匿名・流動型犯罪グループが関与しており、SNSを通じて実行役を募集し、末端の「受け子」や「出し子」を使い捨てにする構造が常態化している。
鹿児島県警は、SNS上で知り合った相手から投資を持ちかけられた場合、まず詐欺を疑うよう注意を呼びかけている。「必ず儲かる」「追加投資でボーナスが受け取れる」といった甘い言葉は詐欺の危険信号であり、特に振込先が個人名義の口座である場合は、正規の金融商品取引業者ではない可能性が極めて高い。
また、投資話を持ちかけられた際は、金融庁の登録業者一覧で相手の登録状況を確認すること、出金時に多額の手数料や追加送金を求められた場合は直ちに取引を中断し、警察や消費生活センターに相談することが有効な対策となる。鹿児島県警は特殊詐欺抑止対策係(099-206-0110)で相談を受け付けている。