概要:警視庁はSNS型投資詐欺で、投資AI開発者を装い「確実に儲かる」と勧誘、東京都板橋区の70代女性から現金・金塊約9000万円相当をだまし取ったとして「受け子」役の44歳男を逮捕した。

SNSで投資AI開発者を装った詐欺グループが東京都板橋区の70代女性から現金760万円をだまし取ったとして、警視庁が「受け子」役の44歳男を逮捕。被害総額は金塊を含め約9000万円に上るとみられる。
警視庁は2026年7月、東京都板橋区に住む70代の女性から現金760万円をだまし取ったとして、愛媛県西条市の職業不詳の男、原和克容疑者(44)を詐欺の疑いで逮捕した。原容疑者は特殊詐欺グループの「受け子」、つまり被害者から直接現金や貴金属を受け取る実行役とみられている。
被害女性はこの詐欺グループに対し、現金760万円のほかにも複数回にわたって支払いを重ねており、被害総額は現金と金塊あわせて約9000万円相当に上るとみられる。警視庁は原容疑者の背後にあるグループの全容解明を進めている。
警視庁の調べによると、被害女性はSNS上で投資用人工知能(AI)の開発者を名乗る人物と接触した。「指示通りにすれば確実に儲かる」という言葉を信じて出資を始めたものの、投資で得たとされる利益を引き出そうとすると状況は一変した。「利益を引き出すには支払いが必要」「セキュリティーのロックが掛かっていて、解除するために金が必要」などと嘘の説明を受け、追加の金銭を次々と要求されるようになったという。
2026年5月、原容疑者は仲間と共謀し、架空の投資会社の社員を装って女性のもとを訪問。現金760万円を直接手渡しで受け取った疑いが持たれている。逮捕後の取り調べに対し、原容疑者は「知り合った女性に稼げる仕事として紹介された」と供述し、容疑を認めている。
警視庁は今回の事件を「匿名・流動型の詐欺グループ」による犯行とみている。匿名・流動型詐欺グループとは、SNSや秘匿性の高い通信アプリを通じて実行役を募集し、役割を細分化して互いの素性を知らないまま犯行に及ぶ組織形態を指す。「受け子」はこうしたグループの末端メンバーとして、被害者から直接現金や金塊を受け取る役割を担う。
「確実に儲かる」「元本保証」といった文言で投資を呼びかける手口は、SNS型投資詐欺の典型的な特徴とされる。警察庁の統計によると、SNS型投資詐欺とロマンス詐欺を合わせた2025年の被害額は約1834億円に達し、前年比43.6%増と深刻化している。
警視庁は引き続きグループの全容解明に向けた捜査を進めている。SNS上で知り合った人物から「確実に儲かる」「元本保証」などと投資を持ちかけられた場合、詐欺の危険信号として直ちに警戒する必要がある。
特に、投資で利益が出ていると表示されても、出金のたびに「手数料」や「セキュリティー解除費用」などと称して追加送金を求められるケースは詐欺の典型的なパターンだ。また、見知らぬ人物が自宅を訪れて現金や金塊を受け取ろうとする状況も、通常の金融取引では考えられない異常な事態である。不審な投資話に遭遇した場合は、警察の相談専用窓口(#9110)や消費者ホットライン(188)に速やかに連絡することが推奨される。