概要:米SECが2005年導入の株式取引ルール「Rule 611」の廃止を提案。コスト削減を掲げるSECに対し、Citadel Securitiesは流動性や価格形成、個人投資家への影響を警告しています。20年続いた制度はなぜ見直されるのでしょうか。

米国株を売買するとき、投資家が意識していなくても、その注文の裏側では「できるだけ有利な価格で取引する」ための仕組みが動いています。
その土台の一つが、約20年前に導入された「Rule 611」です。
米証券取引委員会(SEC)は、このRule 611を含むRegulation NMSの一部を廃止する案を進めています。一方、米大手マーケットメーカーのCitadel Securitiesは、制度変更によって公開市場の流動性や価格形成が弱まり、個人投資家にも不利益が及ぶ可能性があるとして再考を求めました。
一見すると専門的な市場制度の話ですが、争点はシンプルです。
「最も良い価格を提示している市場を保護する現在の仕組みを外しても、投資家はこれまで通り公正な価格で取引できるのか」
米国株の取引構造そのものに関わる議論が始まっています。

取引サービスの選び方を誤ると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
WikiFXでは、各業者のライセンス情報、規制状況、利用者の口コミ評価を網羅し、FX業者の信頼性を見極めるための判断材料を比較・確認できます。
▶ CITADEL Securitiesに関する体験談や意見をお持ちの方は、ぜひWikiFXで口コミや評価を投稿してください。ひとつひとつの声が、ほかの投資家にとって重要な判断材料になります。
Rule 611は、SECが2005年にRegulation NMSの一環として導入した「Order Protection Rule(注文保護規則)」です。
簡単に言えば、ある市場により有利な「保護された気配値」が出ているにもかかわらず、それより不利な価格で取引が成立する「trade-through」を防ぐためのルールです。
例えば、A市場である株式を100ドルで買えるのに、別の市場で100.10ドルの取引を成立させるといったケースが問題になります。
米国株は一つの取引所だけで売買されているわけではありません。複数の取引所や取引システムに注文が分散しているため、Rule 611は市場をまたいで価格競争を機能させるための重要な仕組みとして約20年間使われてきました。
SECは2026年6月11日、Rule 611と、気配値のロックやクロスを制限するRule 610(e)を廃止する規則改正案を公表しました。
SECのポール・アトキンス委員長は、Rule 611が導入から20年を迎えたことを踏まえ、その意図しない影響を検証する時期だとの認識を示しています。
SEC側が掲げるのは、市場構造の簡素化と取引参加者のコスト削減です。規制によって市場が複雑になり、競争やイノベーションを妨げている可能性があるという考え方です。
つまりSECは、「投資家保護のために作った20年前のルールが、現在では逆に市場の負担になっていないか」と問い直しています。
これに強く異議を唱えたのがCitadel Securitiesです。
同社はSECに提出した意見書で、Rule 611の全面的な廃止は米国株式市場の構造を大きく変えるものであり、SECによる経済的な分析には重大な問題があると主張しました。
特に問題視しているのが、廃止によって得られるメリットと、市場が負うリスクのバランスです。
SECの試算では、規制廃止によるコンプライアンス関連の節約額は1取引日あたり約25万ドル。Citadel Securitiesは、巨大な米国株式市場の規模と比較すれば限定的な金額であり、それだけでは制度を大きく変更する根拠として不十分だと主張しています。
Citadel Securitiesが特に警戒するのが、Rule 611を廃止した後の「注文の行き先」です。
現在のルールがなくなれば、ブローカーが公開取引所に表示された最良価格を迂回しやすくなり、顧客注文を自社内部で処理する「internalization(内部化)」や、別の取引システムへ注文を回す動きが増える可能性があると同社は指摘しています。
公開取引所に流れる注文が減れば、市場参加者が競争力のある価格を公開するインセンティブが弱くなる可能性があります。
その結果として懸念されるのが、流動性の低下と価格発見機能の弱体化です。
個人投資家から見れば、これは単なる「取引所同士のルール変更」では済まない可能性があります。最良価格がどこにあるのか、そして自分の注文がどのような価格で約定するのかという、取引の基本部分に関わるためです。
今回の議論でもう一つ注目されるのが、トークン化株式です。
Citadel Securitiesは、Rule 611を廃止すれば、トークン化株式を扱うプラットフォームが他市場に表示されているより有利な価格に合わせず取引を成立させやすくなり、投資家保護が弱まる可能性があると主張しています。
一方、Rule 611の存在がブロックチェーンを利用した新しい証券取引システムの発展を妨げているとの見方もあります。
つまり今回の議論には、単なる規制緩和だけではなく、従来型の取引所を中心とする市場構造と、トークン化など新しい取引インフラをどう共存させるかという問題も含まれています。
Citadel Securitiesも、現行制度を一切変更するべきではないと主張しているわけではありません。
同社は代替案として、取引所の気配値をRule 611による保護対象とする際に、一定の最低取引量を求める仕組みを提案しています。
つまり、「すべての市場の価格を現在と同じように保護する」か「Rule 611を完全に廃止する」かという二者択一ではなく、実際に一定の取引量がある市場だけを保護する中間案です。
20年間続いたルールを残すのか、それとも市場の競争とイノベーションに委ねるのか。今回の議論は、「投資家にとって良い価格は、規制によって守るべきなのか、市場競争に任せるべきなのか」という米国市場の根本的な問いになりそうです。
▶ 信頼できるFX業者を探すには?
FX業者やCFDブローカーを選ぶ際は、ライセンスの有無・規制の状況・利用者の評判を事前に調べることが欠かせません。WikiFXでは、国内外のFX業者のライセンス情報、規制当局による認可状況、ユーザーの実際の評判を無料で検索・確認できます。口座開設前にぜひWikiFXで対象業者の安全性をチェックしてみてください。


IG証券が2026年8月18日、個人口座のバニラ・オプション新規取引を約3カ月ぶりに再開しました。停止の理由だった保証金計算方式の見直しが完了。一方、英国のIG Groupは本店所在地を変更しており、グループと日本法人の最新動向を整理します。

Interactive Brokersが中南米でSafetyPayを導入し、現地銀行口座から現地通貨での入金に対応。海外FX・CFDブローカーが相次いでローカル決済を強化する背景と、投資家が確認したい安全性や金融規制のポイントを解説します。

AXWELは安全な海外FX業者なのでしょうか。MISAライセンスの信頼性、スプレッド、出金条件、利用規約の不備、口コミ・出金拒否情報まで、公開資料をもとに検証します。

豪ASICが2026年度に1万9400件超のオンライン詐欺を削除し、前年比182%増となった。AIによる偽広告や口コミ、著名人のなりすましが広がるなか、FX業者や投資サービスを確認する際の注意点を解説する。